父と娘と彼氏・・交差するそれぞれの思い

緊張の中、
私は夕方暗くなってきたころに
焼き鳥が美味しい居酒屋に向かった。

 

 

 

今日は母が芸能人のコンサートに行っているので、
父と2人っきりで居酒屋でご飯を食べることになっていたのだ。

 

 

 

父と娘の時間は久しぶりだ。

 

 

 

と、同時に、
彼が挨拶にくることを報告しようと思っていたのだ。

 

 

 

父にはそれまで恋人がいることをあえて話していなかったのである。
それも含めてのカミングアウトなので緊張していた。

 

 

 

炭火で焼く焼き鳥は香ばしくて身も柔らかい。
食の好みも父と似ているので、
箸も酒も会話も進んだ。

 

 

 

和やかなムードの中、
私は父に打ち明けた。

 

 

 

 

「あのさ、そろそろ会ってほしい人がいるんだけど」

 

 

 

そろそろ=いい年齢だから。
というズルい理由をもってくる。

 

 

 

父の反応もまたちょっと怖かったのだ。

 

 

 

すると、父は思いの外ケロッとして

 

 

 

「いいよ(´・∀・`)」

 

 

 

とアッサリ返事を返してきた。

 

 

 

 

そこで父と彼の話題になり、
彼のことを少し話した。

 

 

 

東京と茨城ということで
いずれは東京に嫁ぐだろうと父に話し、
父は少し残念な表情を浮かべたが、

 

 

 

「まだ近いほうだから」

 

 

と、受け入れてくれた。

 

 

 

あとは会ってみなければわからないということで、

 

 

 

「じゃぁ、11月、日にちはあとでまたちゃんと決定したら連れてくるね」

 

 

 

と父に話し、父もまた了承した。

 

 

 

 

 

 

 

 

父に話はこぎつけた。
(母には前もって話してある)

 

 

 

 

あとは彼を会わせて
認めてもらえれば
とりあえず一歩前進である。

 

 

 

彼の転職もそのあと、
素直にまた応援してあげられるだろう。

 

 

 

 

 

そして彼が挨拶に来てもらう日はいつにしようか
私が頭を悩ませていると、
彼からLINEがきた。

 

 

 

 

 

「仕事辞めてきた」

 

 

 

 

・・・は?

 

 

 

 

 

 

私の思考は止まった。

 

 

 

 

 

「だってうちの親に挨拶するって話だったじゃない・・」

 

 

 

「ごめん・・」

 

 

 

「仕事辞めたらうちの親に挨拶できないじゃない」

 

 

 

「ごめん・・ごめん・・・」

 

 

 

「なんでそんな突然行動しちゃうのよ!」

 

 

 

「ごめんなさい・・」

 

 

 

 

 

 

職場の人間関係に行き詰まっていた彼。
きっと罵声を毎日飛ばされながらの業務をしていた彼。
心の休まる時間がなく疲れ果てていった彼。

 

 

 

 

父に付き合っている人を会わせられると安心しきっていた私。
3年待ってようやく彼と次のステージへ行けると思っていた私。

 

 

 

その根源は、
ずっと彼と一緒にいたいと、
そばで支えていきたいという思い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 人 の 愛 し て い る が 

崩 れ て い く 瞬 間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、
彼は仕事を辞めた。

 

 

 

だが、一人暮らしを始めてしまっているので、
何かをして稼がないといけない。

 

 

 

彼は諦めなかった。

 

 

 

「ちゃんと正社員の仕事探すから・・」

 

 

 

と、彼はしきりに私に言ってきた。

 

 

 

 

このとき、私はもう彼に正社員の仕事は無理なんじゃないかと諦めはじめてきていた。

 

 

 

アルバイトでは1年も2年も頑張れるのだ。
もしかしたらアルバイトをしていたほうが
彼にとっては幸せなのかもしれない。

 

 

 

別に不得意なことを無理してやる必要もないだろう。

 

 

 

彼を無理に追い込んでいる元凶は「私」だ。

 

 

 

 

彼をそうやって追い込んでいる自分にも私は疲れてきていた。

 

 

 

こんな自分を嫌な女だなと思っていたし、
そう自覚しながらも叶えられない現実に
涙が出てくる。

 

 

 

愛しているのに、
大好きなのに、
くやしくて。

 

 

 

何度も何度もうまくいかない現実に嫌気がさしていた。

 

 

 

こんなにうまくいかないんだから
この先ももううまくいかないのかもしれない。

 

 

 

心の焦りと不穏がぐちゃぐちゃになって
私のメンタルを蝕んでいく。

 

 

 

 

このときはじめて、
心の底から「別れ」をシュミレーションしてしまった。

 

 

 

 

別れれば
彼も無理に正社員として働かなくてもいい。

 

 

 

私も肩の荷がおりるだろう。

 

 

 

別れを繰り返してきた私にはわかる。

 

 

 

別れを選んだとき悲しいのはその時だけだ。
時間がちゃんと解決する。
そしてまた前へ進めるようになる。

 

 

 

お互いにとっていい選択なんじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

「別れ」を選ぶにも葛藤をしばらく続けたが、
彼も一向に仕事が決まる気配もなく、
私の「別れ」を告げる意思は日に日に固まっていった。

 

 

 

 

そして。。。

 

 

 

 

空っぽの頭で呆然と「別れる」以外の考えがでなくなったとき。

 

 

 

 

 

 

 

「わたしたち、別れよう」

 

 

 

 

 

 

 

LINEで一言、
彼に送った。

 

 

 

 

 

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